私の見た「Z」

感謝祭も終わり、緊張の糸がブッツリと切れてしまった嶋崎です。
今回はお約束通り、感謝祭で上映された「Z」映像についてです。


 
寺田プロデューサーから初めて「Z」の戦闘アニメーションを見せていただいたのは確か2月初旬だったかと思います。いつものスパロボだと、まず「凄い!」とか、「迫力がある!」といった形容がまず枕に来るわけですが、「Z」については「綺麗」「微細」「流麗」といった言葉の方がしっくり来るようで、新作スパロボに”美しい”といった言葉を用いるのはどことなく気恥ずかしさもあるのですが、何よりまず「きれーだなー」と。アニメーションの方向性が「質」そのものに向けられた点にまず驚きました。

象徴的な一例として、ガンダムMK2を紹介しますと、まず劇場版そのままにアレンジされたカミーユのカットイン。MK2の特徴であるランドセル部のバーニアによる姿勢制御を行いつつ、飛来するフライングアーマーとドッキング。平面でありながらも立体的なアニメーション挙動を行いつつビーム・ライフルを斉射。ガルバルディβにフライングアーマーをぶつけ、体制を崩した所にまずキックを一撃。再びフライングアーマーに飛び乗り、ガルバルの後方に回り込んでから急接近し、”あの”蹴りを喰らわして、トドメのライフルという凝り方。爆砕アニメーションも何枚ものエフェクトを重ねて透明感のある丁寧かつ、美しい仕上がり。

※注)執筆時、MK2が大気圏突入時に使用するアレをウェイブライダーと書き損じていました。正しくはフライングアーマーですね。記事アップ後に読み返して気付きました。お詫びして訂正します。

「Z」映像の後半部のラッシュに収録しましたが、対するガルバルのアニメーションも紹介しておくと、攻撃時、待機状態からライフルをまず収納し、肩のサーベル収納部のラッチが開き、そこからサーベルを抜き出すといった演出(柄に手をやってから、ビームが放出される!)。

スパロボを良く知るファンの皆さんは、これだけの文字情報からも「Z」制作チームが大変なチャレンジを企てている事が理解できるでしょう。ともすると生産性が優先され、何でもかんでも3Dで上手くやる…といった風潮の中、これを2D技術の範疇内で行う努力と技量には、ただもう頭が下がるばかりです。

さて、今回の感謝祭で上映された「Z」映像についてですが、意図して「特報」という言葉は意図して使用していません。(場内アナウンスなどでは便宜上「特報映像」と言っていましたが、)お気づきの方もいらしたでしょうが、新作発表にいつも入れている「特報」マークが「Z」映像には入っていないのです。

これは使用した戦闘アニメーション素材が開発の過渡期に収録された為で、どちらかといえば速報的な意味合いが強かった為と、本来4:3で制作されている映像の上下方向をトリミングし、16:9にアップコンバートしての変則的上映だった為で、セリフ、効果音なども実装されておらず、あくまで1回キリの特別上映用として制作された為です。

「Z」ついては公式サイトから配信するWEB用の縮小動画などでは、その最大限のニュアンスと魅力が伝達しづらい事もあって、今後、なるべく条件の整った形で皆さんに発表していければと寺田プロデューサーはじめ、関係各方面と相談をしている段階です。

発表時期など明確になり次第、アナウンスがされると思いますので、あとしばらくの間お待ち下さい。