スパロボゆく年くる年

 毎年恒例の「スパロボゆく年くる年」です。

 2019年のスパロボ関連の主なトピックは、「スーパーロボット大戦T」発売、「スーパーロボット大戦DD」配信開始、「スーパーロボット大戦X‐Ω」4周年、Nintendo Switch&Steam版「スーパーロボット大戦V」発売でした。

 2019年の個人的なトピックは……50歳になった、ダイエットした、病気がいくつか治った、大張正己さんご本人がスパロボに出た、アムロがマジンガーZに乗った、アストラナガンとガンレオンが久しぶりに世に出た、です。20年前の私に「大張さんが実写でスパロボに出る」、「アストラナガンとアイドルさん達が共演する」と言っても、信じなかったでしょうね(笑)。どちらも楽しい仕事でした。

 さて、2020年ですが……皆さんのおかげで、スーパーロボット大戦は何とか29年目まで漕ぎ着けられそうなので、30年目を目指して頑張りたいと思っております。あと、年明けの1月10日にNintendo Switch&STEAM版「スーパーロボット大戦X」が発売されますので、よろしくお願い致します。

 それでは、本年も皆様には大変お世話になりました。来年もスーパーロボット大戦共々、何卒よろしくお願い申し上げます!

追悼 井上真樹夫さん

 先日、声優の井上真樹夫さんが逝去されました。

 井上さんにはスーパーロボット大戦シリーズ初期からご出演いただいており、最初に収録したのは「新スーパーロボット大戦」のピート・リチャードソン(大空魔竜ガイキング)でした。

 その頃のエピソードでよく覚えているのは、ジャック・キング(ゲッターロボ)を録った時のことです。古参のユーザーの方はご存知だと思いますが、初期スパロボのジャックはアレンジが入っておりまして……井上さんは「こんなキャラだったっけ?」と仰りつつも、ノリノリで演じて下さいました。

 その後、神宮寺力(勇者ライディーン)、スレッガー・ロウ(機動戦士ガンダム)、アイザム(闘将ダイモス)などを演じていただき、誠に残念ながら最後となってしまったのは、今年発売した「スーパーロボット大戦T」のキャプテンハーロック(わが青春のアルカディア 無限軌道SSX)でした。

 「スーパーロボット大戦T」への「わが青春のアルカディア 無限軌道SSX」参戦が決まった時、懸念点として最初に挙がったのはハーロックの声をどうするかということでした。

 もちろん、アニメ版の「宇宙海賊キャプテンハーロック」、劇場アニメの「銀河鉄道999」、「わが青春のアルカディア」をリアルタイムで観た私としては井上真樹夫さん一択だったのですが、その時点で80歳近いご高齢ということもあり、我々の仕事を引き受けていただけるかどうか不明でした(スパロボの収録は戦闘時の音声がメインですので……)

 即日、私は井上真樹夫さんの所属事務所である青二プロダクションさんに連絡し、ご出演をオファーした所、ご本人に確認してみるというお返事をもらいました。

 その結果、「スーパーロボット大戦T」にご出演いただけることになり、収録を行いました。井上さんは物凄く拘ってハーロックを演じておられ、こちらからOKを出した台詞を自らリテイクされるなど、ご年齢を感じさせないお仕事ぶりでした。そして、収録後に井上さんから「この歳になって、またハーロックを演じられるとは思っていなかった。ありがとう」という旨のお言葉を頂戴致しました。

 余談ですが、ハーロックの相棒であるトチロー役の富山敬さんは既に亡くなられておられるため、山寺宏一さんに代役をお願いしたのですが……その収録前に「ハーロックは誰が?」と聞かれ、「井上真樹夫さんです」とお答えした所、「おお!」と喜んでおられました。

 井上真樹夫さんの訃報を聞いて、青二プロダクションさんに問い合わせた所、井上さんが公式なお仕事としてキャラクターを演じられたのは「スーパーロボット大戦T」が最後だそうで……私は井上さんのハーロックの最後の演技に立ち会った人間となってしまいました。

 井上真樹夫さんのファン、そして井上さんが演じられたハーロックのファンの方は多数おられると思いますが、少しでも井上さんのお仕事ぶりをお伝えしたいと考え、こうしてスパログを執筆しました。

 最後に、井上真樹夫さんのご冥福を心よりお祈り致します。